シャーマニズム 音による癒し
古くは数万年前から音は医療として活用されてきました。シャーマニズムによる音を使用した治療行為は世界各地で伝承されていますし、アジアでも真言やマントラなどは治療的側面も担ってきたとされています。これらのことは現在、民族医療、医療人類学という学問として研究の対象となっています。
また古代ギリシャのピタゴラスは「音響医学」として肉体症状や精神症状の治療にメロディ=音を用いたことが知られています。
このように古くから音は治療に用いられてきたのです。
マナーズ博士の研究
サイマティクスセラピーはサー・ピーター・ガイ・マナーズ博士(1916-2009)によって開発されました。マナーズ博士はオックスフォード大学にて西洋医学を習得されましたが、新薬による攻撃的医療に疑問を感じ「本当の医療は調和に基づくものである」との思いから音や光による医療の研究を始められたそうです。
また「人類が原子力を使うようになったためいずれは電磁波に汚染されるだろう、これをケアするには電磁波しかない」と放射線被曝をケアすること目的としてサイマティクスセラピーの確立に尽力されました。そのような気持ちの表れである「サイマティクスセラピーは全て愛と調和である」という言葉を残しておられます。
その言葉の表れとも言えるのげ青色光線療法で、光や東洋医学の研究もされていた途中、青色の光が新生児黄疸に高い効果を発揮することを発見され、特許も取らずに世に広められました。現在多くの産婦人科で青色光線療法用の治療ベッドが使用されていますがマナーズ博士がその開発者です。
サイマティクスセラピーの成り立ち
音の可視化
ドイツの物理学者エルンスト・クラドニ博士はガラス板や金属板の上に砂を撒き、その板をバイオリンの弓で弾いて振動させると砂が幾何学模様を描くことを発見、音を変えると幾何学模様も変わることを実証し、音響により変化する図形をクラドニ図形として体系化しました。
サイマティクス理論
クラドニ博士の理論をさらに進化させたのがサイマティクス理論です。スイス人の医師であり物理学者であったハンス・イェニー博士によって考案されました。音には一定のカタチや模様を作り出す性質があると考え、さらに音によって立体も作り出せることを発見、研究を重ね確立されたのがサイマティクス理論です。
サイマティクスをセラピーに昇華
西洋医学に疑問を感じたマナーズ博士は「音と光で人を健康にする方法」の研究を始め、ドイツのハイデルベルグ大学に進学、そこで音響医学の研究を始めます。この頃から親交があったハンス・イェニー博士などをはじめ多くの学者たちと共同研究を始めました。
この当時大きな影響を受けられたのがアメリカのイエール大学の解剖学部教授であるハロルド・サクストン・バー博士です。バー博士は、あらゆる生物は電場によって導かれ発生・成長すると提唱しました。
これは「生命場」や「ライフフィールド」と言われる理論で、「人間を含むすべての動植物、カタチあるもの全ては計測可能な電気的エネルギーフィールドによって取り囲まれており、このエネルギー場に従ってカタチを形成する」というものです。
この理論はマナーズ博士の研究に大きく影響を与え、健康な身体の各組織は、特定の5つの周波数が組み合わさった複合調和音を有しているということを突き止めたのです。
マナーズ博士はその後半世紀に及ぶ研究の末、約3500種に及ぶ生体の周波数を特定しました。
これが音響振動療法として確立されたサイマティクスセラピーです。
日本におけるサイマティクスセラピー
日本で初めてサイマティクスセラピー機器を開発されたのが北村賢一先生です。「イギリスにサイマティクスという素晴らしいセラピーがある」と聞かれた北村先生は早速イギリスに渡行、マナーズ博士と会見されます。その時の会見で「特許はどうなっていますか?」という北村先生の問いに、「サイマティクスセラピーは特許やビジネスのために開発したのではない。サイマティクスは人を救うためのものであり、サイマティクスは全て愛と調和である」というマナーズ博士の返答に非常に強い衝撃を受けたと回想しておられます。
この時の衝撃が北村先生の日本での普及活動を支え、「マナーズ博士の理論を寸分も違わさない」という強い信念を持って日本での普及に努められた功績に繋がっているものと思われます。現在では病院、整骨院、鍼灸院、サロンなど多くの施設で、日本各地で導入されております。
当協会は上記のような北村先生の強い信念に共感を受けた代表理事が長期にわたってご指導を受け、セラピー系では日本で唯一認可をいただいた協会です。当協会ではセラピスト育成も行なっておりますが、マナーズ博士の理論を忠実に受け継がれた北村先生の意志を伝承できるようなカリキュラムを提供しています。